背面に施された、ハチの巣状の繊細な透かし彫り。

これは「アジュール(裏取り)」と呼ばれる伝統的な技法で、金属と宝石の接地面を最小限に抑え、裏側からも光を取り込むことで
宝石本来の輝きを一層引き出すためのものです。

さらに、裏側にまで丁寧に鏡面仕上げを施すことで鏡面の反射効果により、
宝石はより澄んだ輝きを纏います。

その仕上げの工程は、気の遠くなるほど地道で緻密なものです。
一本の木綿糸を用いて、一面一面を手作業で丹念に磨き上げていきます。
表の仕上げの何倍もの時間をかけ、ようやく完成に至ります。

確かに多くの時間と手間を要しますが、
その美しさと仕上がりの違いは一目みただけで、はっきりと分かります。

「ひとつひとつの作品に惜しみなく美学と時間を注ぐ」
「見えない部分にまで心を尽くす」
私たちが大切にしている、ものづくりの精神です。